心の変化

今までの私
妊娠する前の私は、それは自由な生活をしていた。
“自由”と言っても、なんでも好きなことができるくらい恵まれた裕福な環境だったわけでは決してないけれど、
自分のために生き、
自分が生きられるためにもがいていた。
仕事仲間や友達、知り合いのお店、知り合いの知り合いのそのまた知り合いの…
と、毎日のように飛び回るのが大好きだったし、
毎晩お酒を飲んで気持ちの良いまま、たまに気持ち悪いほど酔い散らかして眠りにつく。
スケジュール帳は埋まっていないと不安になる性格で、仕事やプライベートの予定でびっしり。
そんな中でも、私はずっと子供が欲しかった。
それは、どんなに仕事や、飲みの時間が楽しくても、譲れなかった。
30歳には子供を産むんだ!そんな目標を公言しながらも、結局縁が訪れず、気がついたら33歳。
35歳までに一人目を産んだ方がいい。といううっすらとした知識により焦った私は、「子供が欲しいので、結婚を考えていない方とのお付き合いはやめよう」と心に決めた。
もう、あやふやなまま生きるのはやめよう。
わかりやすさが功を奏したのか、ご縁に繋がり、
まもなくして、スピード婚、計画的ではあったけれど、比較的すぐに妊娠することができた。
本気の決断が、運命を動かしたのだろうか。
そんな気持ちにすらなってしまうほど、今までとは雲泥の差のことの進みように、嬉しさと共に大きな驚きもあった。
理想と現実
嬉しい妊娠。
心音も確認できて、ふわふわした気持ちで産婦人科を出る。
夫も、母も、それは喜んで、ここから煌びやかな妊婦ライフが待っている!
と、思っていた。
待っていたのは、強烈な孤独と、終わりの見えない悪阻との格闘だった。
お酒が飲めなくなり気がついた。
私の周りはお酒を交わす交友関係ばかり。
私が働く場所も酒場だったので、荒々しい飲み方をする人はいないものの、常にそこには“大人の一人時間”を満喫できる環境に身を置く人で溢れていた。
もちろん、私もつい先日まで、その一人だったんだけれど。
すぐに、悪阻が悪化し、食べ物や煙草の匂いがダメになり、働くことさえできなくなった。
家にいて、この船酔いのような気持ち悪さと戦う日々。
夫は自営業なため、ちょうど繁忙期に入りほぼ家に帰ってこない。
接待の飲み会も多く、居酒屋の匂いを漂わせて帰ってくる姿に、羨ましさと怒りさえ湧いてしまっていた。
不安定すぎるホルモン。
自由にならない体。
まだ安定していない状態の赤ちゃんが無事でいますようにと、検索魔になり
未知の世界に足を踏み入れたことによる不安。
それでも、そんな状態でも、
子供を宿したことが本当に嬉しかった。
「幸せだ」
そう口に出しては、涙が溢れる毎日だった。
孤独と、不安と、溢れる幸せ。
経験してみないとわからなかったこの感情のミックスサンド。
少しずつ、いや、もしかしたらものすごい勢いで、以前の私とは違う人間になったのかもしれない。